個人年金保険の終身年金保険、日本生命と第一生命どちらがおすすめ?
日本政府の「人生100年時代構想」に代表されるように、日本の長寿化が進むことが予想されていることから、一生涯受け取れる個人年金保険として終身年金保険が人気となっています。
代表的な商品は、日本生命のグランエイジと第一生命のながいき物語ですが、太陽生命からも商品が発売されているほか、かんぽ生命からも94歳まで受け取れる終身年金保険が発売されています。
個人年金保険の終身年金保険のおすすめは、年金の支給をメインにするか、返戻率の高さ、元をとりたい!などの理由により、変わります。
元がとれる年齢と100歳の場合の返戻率をシュミレーションして計算しました。
- 個人年金保険の終身年金保険とは
- 終身年金保険のおすすめ!しっかり備えるなら日本生命、第一生命、安さで選ぶなら太陽生命
- 終身年金保険はどれがいい?それぞれの保険の元がとれる年齢と、100歳の場合の返戻率をシュミレーション
個人年金保険の終身年金保険とは
最近注目されているのが、個人年金保険の終身年金保険です。
一般の個人年金保険は、10年確定型など、年金を受け取れる期間が限定的なものがほとんどですが、終身年金保険は、生存期間中ずっと年金を受け取ることができます。
終身年金保険は、以前は多く販売されていたのですが、返戻率が低いこと、長生きでないと元本割れすることなどから、人気が低く、主力の商品ではなくなりました。
※かんぽ生命から終身年金保険付終身保険「新トータルプランしあわせ」が発売されていましたが、2010年4月1日より販売停止となりました。(参考:郵政管理・支援機構|簡易生命保険管理業務)
しかし、2016年に日本生命が終身年金型の個人年金保険「グランエイジ」を発売、人気となったほか、2017年には、第一生命の「ながいき物語」、太陽生命の「保険組曲Best 100歳時代年金」が発売となりました。
そのほか、かんぽ生命からも「長寿のしあわせ」という長寿型の個人年金保険が発売されています。
終身タイプの個人年金は、一生涯年金を受け取れるメリットがありますが、その分保険料が高くなり、長生きしないと元本割れ、目安は90歳あたりです。
ただ、政府の人生100年構想など、平均寿命が伸びていることから、再び注目されています。
終身年金保険の仕組み
終身年金保険は、長寿生存保険(低解約払戻金型)とも言われており、低解約返戻金型の個人年金保険となっています。
考案したイタリア人、L・トンティ氏の名前から「とんちん年金」とも呼ばれています。
終身年金の仕組みは、「死亡保障を行わず、解約返戻金を70%と低く見積もることで年金原資を大きくする」ことです。
終身年金と確定年金の違い
終身年金と確定年金の違いは、終身年金がずっと年金を受け取れるのに対して、確定年金は、10年など年金を受け取る期間が決まっていることです。
受け取りに関しては、終身年金にメリットがありますが、デメリットもあります。
終身年金と確定年金のメリットとデメリットを下記にまとめました。
終身年金 |
---|
メリット |
デメリット |
確定年金 |
メリット |
デメリット |
終身年金と確定年金の違いを見れば分かる通り、長生きするのであれば終身年金にメリットがありますが、そうでないなら、確定年金の方が確実で有利です。
終身年金は、元本割れしない年齢が90歳を超えます。
老後のために、確実にお金を増やしたいのであれば、一般的な10年確定型などの確定年金が有利です。
終身年金保険は90歳以下では元本割れします
人気が出ている終身年金ですが、発売されている終身年金のほとんどが、90歳以上の長生きしないと元本割れします。
つまり、受け取り保険料よりも支払い保険料の方が多くなり、元がとれないことです。
男性の平均年齢が80.79歳(厚生労働省「簡易生命表」2015年より)であることを考えると、ほとんどの人が元本割れすることになります。
日本生命「グランエイジ」(50歳契約)で男性90歳、女性95歳、第一生命「ながいき物語」(55歳契約)で男性89歳、女性94歳で元本割れとなります。
ただ、日本人の平均寿命は長くなっており、2050年には100歳以上の人数が、現在の7万人から70万人以上に増えるとの見込みもあります。
終身年金は、長生きすることを前提に入ることが必須です。
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終身年金のおすすめ!しっかり備えるなら日本生命、第一生命、安さで選ぶなら太陽生命
発売されている5社の終身年金を比較しました。各社、保険料等がバラバラなのですが、比較対象となるのは、保険料と支払い開始年齢などになります。
老後にしっかり備えるのであれば、大手で人気もある日本生命、第一生命の終身年金です。
年金受給は70歳からですが、毎年50万、60万と受け取れ安心感があります。
保険料の安さで考えれば太陽生命です。
男性で1万円台、女性も2万円台で加入できます。受取年金額は少ないですが、公的年金に毎年プラスされるので老後の助けになります。
支払い開始年齢が早いのがあいおい生命の&LIFEと、かんぽ生命の長寿のしあわせです。
あいおい生命で65歳、かんぽ生命で60歳から受け取るので、早く年金をもらう安心感が欲しければ、こちらの商品です。
ただ、かんぽ生命の終身年金は、利率があまり高くありません。
外貨で運用するマニュライフ生命のこだわり個人年金も終身年金があります。
ほかの商品と違うのは、年金額が決まっているのではなく、月1万円から運用ができ、その運用状況によって、年金額が変わることです。
年金額が確定しないので、大きな期待はできませんが、公的年金をベースに、毎年、少しでも収入が増えればと思うのなら、考えてみてもいいかもしれません。
契約年齢などによりますが、最短の支払い開始年齢は55歳と、早くからもらえるのもうれしいところです。
※下記の表は、50歳を目安として保険料を計算しています。第一生命のながいき物語のみ55歳です。
保険名 | 契約年齢 | 月額保険料 | 支払い開始 | 受取年金額 |
---|---|---|---|---|
太陽生命 保険組曲Best 100歳時代年金 |
55~65歳 | 男性 17,378円 女性 24,002円 |
75歳 | 24万円 介護年金 48万円 |
第一生命 ながいき物語 |
55~75歳 | 男性 54,000円 女性 54,000円 |
70歳 | 男性50.19万円 女性40.40万円 |
日本生命 グランエイジ |
50~87歳 | 男性 50,790円 女性 62,526円 |
70歳 | 60万円 |
三井住友海上あいおい生命 &LIFE 個人年金保険 10年保証期間付終身年金 |
16~60歳 | 男性 37,737円 女性 46,788円 |
65歳 | 30万円 |
かんぽ生命 長寿のしあわせ ※94歳まで |
50~70歳 | 男性 122,850円 |
65歳 | 90万円 |
マニュライフ生命 こだわり個人年金 |
20~55歳 | 月1万円~ | 55歳~ | 運用状況による |
なお終身年金保険は、長生きが前提なので、単純に返戻率や利率で比較できる商品ではないので、保険相談サービスなどで、しっかり相談することが必要です。
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終身年金保険はどれがいい?それぞれの保険の元がとれる年齢と、100歳の場合の返戻率をシュミレーション
日本生命のグランエイジは、50歳契約の月額保険料が男性50,790円、女性62,526円で、70歳以降、年額60万円の年金を受け取ることができます。男性の場合90歳、女性の場合95歳で、払込保険料が年金累計額を上回ります。
99歳まで生きれば、返戻率が男性約147.6%、女性約119.9%となります。
第一生命のながいき物語は、55歳契約の月額保険料が54,000円で、70歳以降、年額男性50.19万円、女性40.40万円の年金を受け取ることができます。男性の場合89歳、女性の場合94歳で、払込保険料が年金累計額を上回ります。
100歳まで生きれば、返戻率が男性約160.0%、女性約128.8%となります。
太陽生命の保険組曲Best 100歳時代年金は、50歳契約の月額保険料が男性17,378円、女性21,002円で、75歳以降で年額24万円の年金を受け取ることができます。
ニッセイ、第一生命と違い安い保険料から加入できるほか、介護年金保険がついています。
太陽生命の公式サイトでは、55歳で契約、85歳で介護を要する状態となった場合、男性89歳、女性91歳で、払込保険料が年金類額を上回ります。
100歳まで生きれば、返戻率が男性約262.7%、女性約190.4%となります。
三井住友海上あいおい生命の&LIFE 個人年金保険は、50歳契約の月額保険料が男性37,737円、女性46,788円で、65歳以降年額30万円の年金を受け取ることができます。年金支払い開始が早いこともあり、男性87歳、女性92歳で、払込保険料が年金累計額を上回ります。
100歳まで生きれば、返戻率が男性約158.9%、女性約128.2%となります。
かんぽ生命 長寿のしあわせは、公式サイトのシュミレーションによると、50歳契約の月額保険料が男性122,850円、60歳以降年額90万円の年金を受け取ることができます。男性89歳で、払込保険料が年金累計額を上回ります。
終身年金ではなく、94歳満期となり、返戻率が122.1%となります。
終身年金については、どの個人年金保険が有利なのか分かりづらくなっています。
年金の支払開始と元が取れる年齢が早いのはあいおい生命で、返戻率が高いのが太陽生命ですが、65歳から受け取れる分、あいおい生命の方が有利になります。
ただ、新しいタイプの保険という点もありますので、保険相談サービスなどで相談して決めた方が良いかもしれません。
■各保険の公式サイトはこちら■
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